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平成27年と平成28年度以降の簿記検定試験の出題範囲の改定のまとめ

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平成27年4月1日に商工会議所から、出題範囲が変更されることが公表されました。
http://www.kentei.ne.jp/7293

平成28年度以降では、簿記2級商業簿記が半分以上範囲が変更されます。詳しくは下で説明します。
今後、商工会議所主催の説明会などもありますので、最新情報が入り次第、更新します。
<平成27年4月27日更新>

■簿記3級
日商簿記3級の出題範囲が一部変更されます。

●変更時期
平成28年4月1日以降の試験から適用されます。

●変更される内容
1.売買目的有価証券の評価替(時価法)が2級の範囲へ変更
2.伝票の集計(伝票から仕訳日計表の作成、伝票から試算表の作成)が新しく範囲になった
3.5伝票制が日商簿記の範囲外に変更

●どうやって勉強すればいいの?
それほど大きな変更ではありませんので、平成28年になるまでは今までのテキストで学習すれば大丈夫です。


■簿記2級
日商簿記2級商業簿記の出題範囲が大幅に変更されます。別の試験に生まれ変わるレベルで変わります。

<今回の記事の内容>
1.何故変わったの?
2.いつから変わるの?
3.変更点は?
4.どうやって学習すればいいの?
5.学習期間はどうなるの?
6.パブロフくんシリーズは?


1.何故変わったの?

簿記検定は経理で働くときに役立つ資格、ということでしたが、現在の試験内容と経理実務の内容に大きなズレが生じていました。

最近は手書きで帳簿を記帳する会社は少なくなり、会計ソフトで仕訳を入力すれば帳簿の記帳は自動に作成される状況です。
また、日本の会計基準が国際会計基準に準拠するように、ここ十年で会計基準が大幅に変更されました。
支店ではなく子会社を持つ会社が増え、連結会計が重要になっています。
海外への進出や外国での取引も進み、円だけでなく、外貨ベースでの取引も増えています。

このような時代の移り変わりに対応するために、抜本的に範囲を改正したのだと思われます。

2.いつから変わるの?

平成28年4月1日以降の試験から変更されます。

ですが、注意が必要です。

平成27年度4月1日~平成28年3月31日に実施される試験では、平成28年4月1日以降に範囲から外される内容は出題される可能性が低くなります。

~商工会議所HPより引用~
平成27年度に適用される区分表に改定事項はありませんが、上記の平成28年度以降に向けた改定に伴い、平成27年度の簿記検定試験においては、(平成27年度から平成28年度にかけて継続的に学習する受験者等を考慮し)平成28年度以降も引き続き当該級の範囲となっている内容を中心に出題することといたします


3.変更点は?

今回変更がある主な論点は次のとおりです。特に連結会計が入った意義は大きく、経理実務に役立つ内容になりました。

<今後出なくなる論点>
・特殊商品売買
・特殊仕訳帳
・伝票会計
・社債
・繰延資産

<新しく出題される論点>
・連結会計
・リース取引
・外貨建取引
・税効果会計
・圧縮記帳
・有価証券(子会社株式、関連会社株式、その他有価証券)
・月次決算の処理

■詳細な変更点は次のとおりです。 (商工会議所の出題区分表を基に作成)
<平成27年4月27日更新>
平成28年以降の日商簿記2級の出題範囲改訂20140427

4.どうやって学習すればいいの?

平成28年4月1日以降に受験する場合、範囲が大幅に変わるため、現在発売されている商業簿記のテキストや問題集、過去問集は使用できなくなります。

平成28年度試験に対応したテキストや問題集、予想問題集を利用する必要があります。
また、平成29年、平成30年と範囲が徐々に拡大されますので、注意が必要です。

簿記教育をしている各社が書籍や講義をどの時点で改訂するのかは未定です。

5.学習期間はどうなるの?

学習内容のボリュームが大幅に増え、難易度も高まりますので、学習期間も長くなると予想されます。

<学習期間の目安>
現在の2級 2~3か月
新しくなる2級 4~6か月


6.パブロフくんシリーズは?

平成27年6月、11月、平成28年2月の試験を受ける方

今お使いのテキスト・問題集で勉強すれば問題ありません。4月1日公表された新しい範囲に対応しているテキスト・問題集は現在どこの出版者からも販売されておりません。おそらく平成28年2月以降に発売されると思います。

パブロフくんシリーズを利用されている方向けに、どこを優先的に学習すればいいのか、説明します。出題可能性が低い、と表記していますが、商工会議所の詳しい情報が出るまでは、絶対に出題されないとは断言できませんので、念のため学習しておくことをオススメします。

2級商業簿記

■パブロフ流 テキスト

次の①から③の優先順位で学習してください。

①出る可能性が高い

Chapter01 固定資産
Chapter02 有価証券
Chapter04 純資産
Chapter06 税金
Chapter07 その他の論点
Chapter08 商品売買
Chapter10 当座預金の銀行残高調整表
Chapter11 精算表・財務諸表

②出る可能性が中くらい

Chapter05 繰延資産…創立費、株式交付費、開業費について、原則処理は学習が必要。それ以外の出題可能性は低い。
Chapter12 本支店会計…範囲は変更があるが、今まで通り学習しておいた方が安全。
Chapter13 伝票会計…簿記3級の範囲に変更になる。2級で出てもおかしくはない。

③出る可能性が低い

Chapter04 社債…簿記1級の範囲へ。
Chapter09 特殊商品売買…簿記1級の範囲へ。
Chapter14 特殊仕訳帳…簿記1級の範囲へ。

■パブロフ流 総仕上げ問題集

次の①から③の優先順位で学習してください。

①出る可能性が高い

Chapter01 仕訳…詳しくは次のとおりです。
◎出る可能性が高い △出る可能性が低い

01-1 ◎生産高比例法による減価償却 
01-2 △特殊商品売買-予約販売
01-3 ◎株式会社の設立
01-4 △特殊商品売買-未着品 
01-5 △社債の発行

02-1 ◎役員賞与引当金
02-2 △特殊商品売買-受託販売
02-3 ◎固定資産-資本的支出
02-4 ◎不渡手形
02-5 ◎消費税
03-1 △特殊商品売買-未着品
03-2 ◎株式会社の設立
03-3 ◎手形の更改(期日の延長)
03-4 ◎固定資産の火災
03-5 ◎法人税等
04-1 ◎固定資産の取得-割戻
04-2 ◎損益振替-当期純損失
04-3 ◎銀行勘定調整表
04-4 △特殊商品売買-受託販売
04-5 ◎自己受為替手形
05-1 △特殊商品売買-試用販売
05-2 ◎有価証券の取得と端数利息
05-3 ◎固定資産の売却
05-4 ◎別途積立金の取り崩し
05-5 ◎銀行勘定調整表
06-1 ◎固定資産の買い替え
06-2 △特殊商品売買-委託販売
06-3 △特殊商品売買-試用販売
06-4 △社債の満期償還

06-5 ◎前払費用と長期前払費用
07-1 ◎合併
07-2 ◎増資
07-3 △特殊商品売買-受託販売
07-4 ◎固定資産の火災
07-5 ◎有価証券の売却
08-1 ◎法人税等の還付
08-2 △特殊商品売買-受託買付
08-3 ◎固定資産-建設仮勘定
08-4 ◎合併
08-5 ◎裏書手形の保証
09-1 ◎貸倒れ
09-2 △特殊商品売買-受託買付
09-3 ◎経費
09-4 ◎仕入割引
09-5 ◎不渡手形

Chapter04 銀行勘定調整表・勘定記入(04の社債の総合問題は除く)
Chapter06 精算表
Chapter07 財務諸表…特に重要。株主資本変動計算書もおさえておく。
Chapter09 模擬問題…第1回、第2回ともに第2問の出題可能性は低くなりますが、念のため解けるようにしておきましょう。第2問はChpter04の銀行勘定調整表と勘定記入の内容が出題される可能性が高いです。

②出る可能性が中くらい

Chapter02 伝票会計…簿記3級の範囲に変更になる。2級で出てもおかしくはない。
Chapter08 本支店会計…範囲は変更があるが、今まで通り学習しておいた方が安全。

③出る可能性が低い

Chapter03 特殊仕訳帳
Chapter04 社債
Chapter05 特殊商品売買


2級工業簿記

■パブロフ流 テキスト
範囲の変更はありませんので、そのままお使いください。

■パブロフ流 総仕上げ問題集
範囲の変更はありませんので、そのままお使いください。


平成28年4月以降の試験を受ける方

アプリも書籍も時期を見て対応させます。連結会計の仕訳もアプリに追加する予定です。

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