第139回日商簿記2級の試験で、初めて200%定率法が出題されました。
法人税法の計算方法ですから、現在市販されているテキストには掲載されていません。
しかし、今後も出題可能性が非常に高いことが予想されますので、詳しく見ていきましょう。
■200%定率法とは
200%定率法とは、法人税法上の定率法の計算方法ですが、多くの会社が会計でも利用しています。
問題を解くにあたって大切な事は、与えられた償却率を使って、定率法の計算を行うことです。
■200%定率法は何が違うのか?
計算で使用する償却率が違います。例題を使ってみていきましょう。ただし、簿記の問題で償却率を自分で計算することはありませんので、計算過程を覚える必要はありません。
例題:取得価額1,000円、残存価額は取得価額の10%、耐用年数5年
①定額法、②通常の定率法、③200%定率法の3つについて、見ていきましょう。
①定額法
ほぼ使いませんが、定額法でも償却率を使うことがあります。これは覚える必要はありません。
・償却率の計算式 1÷5年=0.2
・減価償却の計算1年目 (1,000-1,000×0.1)×0.2=180
・減価償却の計算2年目 (1,000-1,000×0.1)×0.2=180
②通常の定率法
自分で計算することはありませんが、通常の定率法の償却率は次のように計算します。
・償却率の計算式 1-(0.1)^(1/5)=0.369043… → 0.369
^は乗数計算を表しています。
・減価償却の計算1年目 1,000×0.369=369
・減価償却の計算2年目 (1,000-369)×0.369=232.839 → 233
③200%定率法
償却率として、定額法の償却率×200%を使うため、200%定率法と呼ばれます。以前は250%定率法でしたが、法人税法の改正により200%定率法となっています。今後も改正により呼び名が変わるかもしれませんが、根本的な計算方法は同じですから、気にしなくて良いでしょう。
・償却率の計算式 定額法の償却率0.2×200%=0.4
・減価償却の計算1年目 1,000×0.4=400
・減価償却の計算2年目 (1,000-400)×0.4=240
つまり、②通常の定率法と③200%定率法は、償却率が違うだけで計算方法は同じです。
■200%定率法の例題
備品について決算整理仕訳を行いなさい。(間接法)
取得価額 ¥24,000
減価償却累計額 ¥9,600
償却方法 200%定率法
償却率 40%
<解答>
計算:(24,000-9,600)×40%=5,760
減価償却費 5,760/備品減価償却累計額 5,760
■問題で出た場合
問題文で与えられた償却率を使って、いつもと同じように定率法の計算を行えばよいだけです。言葉に惑わされる必要はありません。
■応用的な問題(平成28年6月以降)
日商簿記検定の主催者である商工会議所が公表しているサンプルでは、200%定率法の償却率が与えられておらず、自力で計算させる問題が出題されています。平成28年6月移行の試験では、このような出題の可能性があります。
<問題>
固定資産の減価償却を次のとおり行う。
備品:200%定率法(取得日はX1年4月1日。耐用年数5年)
<解説>
200%定率法の償却率 1÷5年×200%=0.4
減価償却費 (24,000-9,600)×0.4=5,760
減価償却費5,760/備品減価償却累計額5,760
参考情報:簿記の問題では、残存価額は10%か0円のどちらかが出題されることが多いですが、多くの会社では0円で計算します。多くの会社で利用されている200%定率法では、まず残存価額0円で計算し、最後の年に備忘記録1円となるように調整するからです。
最近の傾向は残存価額0円で計算させる問題が増えてきています。これは実務でよく使われている計算方法を簿記の問題で出題したいという意図があるからでしょう。
法人税法の計算方法ですから、現在市販されているテキストには掲載されていません。
しかし、今後も出題可能性が非常に高いことが予想されますので、詳しく見ていきましょう。
■200%定率法とは
200%定率法とは、法人税法上の定率法の計算方法ですが、多くの会社が会計でも利用しています。
問題を解くにあたって大切な事は、与えられた償却率を使って、定率法の計算を行うことです。
■200%定率法は何が違うのか?
計算で使用する償却率が違います。例題を使ってみていきましょう。ただし、簿記の問題で償却率を自分で計算することはありませんので、計算過程を覚える必要はありません。
例題:取得価額1,000円、残存価額は取得価額の10%、耐用年数5年
①定額法、②通常の定率法、③200%定率法の3つについて、見ていきましょう。
①定額法
ほぼ使いませんが、定額法でも償却率を使うことがあります。これは覚える必要はありません。
・償却率の計算式 1÷5年=0.2
・減価償却の計算1年目 (1,000-1,000×0.1)×0.2=180
・減価償却の計算2年目 (1,000-1,000×0.1)×0.2=180
②通常の定率法
自分で計算することはありませんが、通常の定率法の償却率は次のように計算します。
・償却率の計算式 1-(0.1)^(1/5)=0.369043… → 0.369
^は乗数計算を表しています。
・減価償却の計算1年目 1,000×0.369=369
・減価償却の計算2年目 (1,000-369)×0.369=232.839 → 233
③200%定率法
償却率として、定額法の償却率×200%を使うため、200%定率法と呼ばれます。以前は250%定率法でしたが、法人税法の改正により200%定率法となっています。今後も改正により呼び名が変わるかもしれませんが、根本的な計算方法は同じですから、気にしなくて良いでしょう。
・償却率の計算式 定額法の償却率0.2×200%=0.4
・減価償却の計算1年目 1,000×0.4=400
・減価償却の計算2年目 (1,000-400)×0.4=240
つまり、②通常の定率法と③200%定率法は、償却率が違うだけで計算方法は同じです。
■200%定率法の例題
備品について決算整理仕訳を行いなさい。(間接法)
取得価額 ¥24,000
減価償却累計額 ¥9,600
償却方法 200%定率法
償却率 40%
<解答>
計算:(24,000-9,600)×40%=5,760
減価償却費 5,760/備品減価償却累計額 5,760
■問題で出た場合
問題文で与えられた償却率を使って、いつもと同じように定率法の計算を行えばよいだけです。言葉に惑わされる必要はありません。
■応用的な問題(平成28年6月以降)
日商簿記検定の主催者である商工会議所が公表しているサンプルでは、200%定率法の償却率が与えられておらず、自力で計算させる問題が出題されています。平成28年6月移行の試験では、このような出題の可能性があります。
<問題>
固定資産の減価償却を次のとおり行う。
備品:200%定率法(取得日はX1年4月1日。耐用年数5年)
<解説>
200%定率法の償却率 1÷5年×200%=0.4
減価償却費 (24,000-9,600)×0.4=5,760
減価償却費5,760/備品減価償却累計額5,760
参考情報:簿記の問題では、残存価額は10%か0円のどちらかが出題されることが多いですが、多くの会社では0円で計算します。多くの会社で利用されている200%定率法では、まず残存価額0円で計算し、最後の年に備忘記録1円となるように調整するからです。
最近の傾向は残存価額0円で計算させる問題が増えてきています。これは実務でよく使われている計算方法を簿記の問題で出題したいという意図があるからでしょう。