わっ、仕損!パブロフ苦手!
仕損は解き方さえ理解してしまえば、実はとっても簡単だよ。
えっ、難しくないの?ウソ?
嘘じゃないよ…どうやって解くのか説明するね。
◆仕損と減損の違い
まずは、仕損と減損の違いについて確認しておきましょう。試験ではどちらも出題されますが、仕損と減損は同じ方法で解くことができますので、ここからは仕損を例にとって説明していきます。
仕損 | 作業の途中で失敗してしまうこと | 仕損品が残っているので、評価額がある |
減損 | 蒸発などにより、数量が減ってしまうこと | モノが残っていないので、評価額がない |
◆仕損の解き方
仕損には、仕損にかかった原価を「完成品原価に含めて処理する方法」と「完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理する方法」2パターンがあります。
たとえば次の図のように月末仕掛品が80%の場合、仕損が加工進捗度80%から100%の間で発生した場合「完成品原価に含めて処理する方法」で処理します。月末仕掛品は仕損の発生点を通過していないので、月末仕掛品に、仕損にかかった原価を含めないのです。
仕損が0%から80%の間で発生した場合「完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理する方法」で処理します。月末仕掛品は仕損の発生点を通過しているので、月末仕掛品にも、仕損にかかった原価を含めるのです。
問題を解く場合、下書きの書き方が違うので、先入先出法と平均法を別々に説明します。
①完成品原価に含めて処理する方法(先入先出法)
<解き方と解答>
○ステップ1
状況を整理します。
○ステップ2
仕掛品のBOX図の下書きを書きます。右側に仕損の欄を書いておく点がポイントです。
○ステップ3
次の部分には問題文の情報をそのまま写します。仕損の欄に評価額を書いておく点がポイントです。
○ステップ4
次の部分は計算で出します。
○ステップ5
月末の金額を計算します。
○ステップ6
完成品の金額を差額で出します。仕損の評価額をマイナスする点がポイントです。
30,980円+18,338円=49,318円(解答)
②完成品原価に含めて処理する方法(平均法)
<解き方と解答>
○ステップ1
状況を整理します。
○ステップ2
仕掛品のBOX図の下書きを書きます。右側に仕損の欄を書いておく点がポイントです。
○ステップ3
次の部分には問題文の情報をそのまま写します。仕損の欄に評価額を書いておく点がポイントです。
○ステップ4
次の部分は計算で出します。平均法ですので金額と数量の合計を書いておきます。
○ステップ5
月末の金額を計算します。
○ステップ6
完成品の金額を差額で出します。仕損の評価額をマイナスする点がポイントです。
30,960円+18,330円=49,290円(解答)
あれ?これって、いつも解いてる(仕損がない場合)と同じだね。
おっ、よく気が付いたね、大体同じだよ。仕損が終点で発生している場合は、いつもと同じように、月末仕掛品→差額で完成品と計算すれば解けるようになっているんだ。ただ、仕損品の評価額をマイナスする点が違うから、注意しないとね。
意外と簡単だね。「完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理する方法」は?
次回説明するね!